もちろん内容に関する質問などいっさい受けつけないという姿勢が彼の全身からにじみでている。

そして読み終わると問髪を入れずに買い主はサインをせまられる。 重要事項説明のシチュエーションというのは、だいたいこんなものだろう。
おかげで説明を受けたほうは、その内容などなにも頭には残っていない。 「全部読みあげるなんて、まだマシな方ですよ」ある業者にいわせれば、重要事項なんていつも最初の二、三行を読んだら、じゃ、あとの細かなところは必ず目を通しておいてくださいね、の一言で署名捺印してもらって説明終了、というから、買い主のためにも契約が百パーセント確定してから説明しましょうというのである。
ずいぶん乱暴な話である。 けれども多くの業者はそれが常識と思い込んでいるのだから始末が悪い。
のである。 H氏は、顧問弁護士の下した結論に見るからに不満そうだ。
彼はつい先日自社で開発した分譲宅地の売買で、買い主とのトラブルに巻き込まれたのだ。 そこで問題になったのは容積率という言葉である。
敷地面積に対して最大限建てられる建築物の延べ床面積の割合をしめすこの言葉の意味を、買い主自身が理解していなかったとして契約解除を主張してきたのである。 H氏はもともとその買い主にマイホーム建設のための土地探しを依頼されていた。

四○坪くらいの土地をという希望に対して、たまたまタイミングよく、場所、価格ともに買い主の気に入る物件が自社の宅地分譲物件として出たので、無事契約をまとめたのである。 ところが、その土地にマイホームの計画に着手した買い主からH氏のもとに電話が入った。
「自分は最低でも建坪四五坪程度の家を建てたくて土地探しをお願いしたのに、買った土地では三二坪の家しか建たないじゃないか。 こんな話は聞いてない。
すぐに契約を解除したい」当初、H氏はこの苦情を相手にしなかったという。 自分は重要事項説明の際に四○坪の土地に対して容積率は八○パーセントであると説明している。
そうなれば当然、四○坪×八○パーセントの三二坪の家しか建たないということの説明にもなっていたはずだ。 H氏にしてみれば何をいまさらというのが本音だった。
たしかに世の中には容積率と建ペイ率の区別さえついていない業者もいるから、そのへんをごまかして説明していれば問題かもしれないが、自分はそんなことはない。 だいいち、四五坪の家を建てられることが土地の必要条件だなんて、それこそ初耳である。
こんなクレームなんて無視してもよいのではないかと思いつつ、上司の指示で顧問弁護士に報告、相談したところH氏は惜然とした。 ことの成り行きを聞いた弁護士は、H氏の予想を裏切る厳しい意見を述べたのである。
つまり、買い主から、説明された内容について理解していないと主張されれば、その業者は説明の義務を果たしたとはいえない、というのだ。 要するに、四五坪ということについて具体的に聞かされていなくても、重要事項説明の際に容積率に関して買い主が理解できるようにきちんと説明がなされていれば、このようなトラブルは起きなかっただろう、というのである。
おそらくその時点で、買い主が土地に求めるこの手の必要条件は明らかになっただろうし、そもそも契約自体、成立しなかっただろうから、業者は説明義務を尽くしているとはいえない、というのが弁護士の解釈であった。 「説明は受けたけれども、とても理解できるような説明ではなかったですよ。
だいたいそんな大事なことを契約締結直前に読み上げられて、シロウトの私が理解できると思いますか」こんな風に買い主から強く主張された場合、業者は厳しい立場に立たされるというのがその弁護士の出した結論なわけだ。 この意見にはおおいに不満のH氏も、結局、上司と相談した結果、買い主の主張どおり契約解除に応じたのである。
しかしこれは考えてみれば業者にとって恐ろしい話である。 買い主が理解していないかぎり説明したとはいえない。
当たり前といえば当たり前なのではあるが、逆にこの法的な解釈を悪用するような買い主がいないともかぎらない。 もっともこの恐ろしさについて業者が多少なりとも正しく認識すれば、重要事項説明についてもう少し慎重になるだろうし、説明の仕方もちょっとはよくなるだろう。

問題は業者が仲介として契約に絡む場合である。 売り主も買い主も業者ではなく、業者は仲介として売買契約に介在する場合、自分の責任範囲について誤解している業者が世の中には多い。
「苦情の意味はよく分かるんですが、なにせ私どもは仲介という立場でして、責任の追及は売り主さんの方に直接してもらえませんかね」仲介業者として買い主とのトラブルに巻き込まれると、業者の逃げ口上はだいたいこんなところだろう。 もっともこの点については、業者が悪意をもって責任逃れをしようとしているというよりも、仲介という自分の立場を都合のよいように誤解している業者がほとんど、というのが正しい解説のようだ。
たとえば、なぜか業者の中には、仲介業者としての損害賠償責任は仲介手数料報酬の額を超えないと思い込んでいる人が多い。 責任追及はあくまでも売り主へ、それでももし万が一、自分が損害の一部を賠償するようなこないわけだ。
トラブったらまず逃げる重要事項説明にまつわる問題が起きた場合、説明した業者が売り主であればその責任の所在はまだわかりやすい。 たとえば、説明に不備や不足部分があって買った土地に建物が建てられないという場合は、契約は当然解除されるだろう。
契約の目的が達せられないほどの説明違反ではないが現実に被害をこうむったということであれば、その損害を売り主業者は賠償しなければならこういう解釈が、業者の問ではまことしやかに流れているのである。 けれども、冷静に考えてみればこれは妙な話である。
損害賠償金額と手数料報酬額との間に、いったいどういう因果関係があるのだろうか。 この件について弁護士の先生に意見を聞いたところ、とても明快な答えが返ってきた。

「たとえば自分がタクシーに乗っててその車が事故って大ケガしたとしますよね。 その時タクシーの運転手にタクシー代の六五○円はいらないからそれでカンペンしてよといわれて、世の中広しといえども納得する人はいませんでしよ。
まあそれと似たようなもんで、損害賠償の額は報酬の額を超えないというのは、あまり根拠がないんじゃないですかねえ」民法の第四一六条にあるように、買い主が「通常生ずべき損害の賠償」については仲介業者も責任を免れることができない、というのが法律の専門家からの意見なのである。 法律の規制以上には調べないし説明もしない。
法律の条文についてはもちろん業者にとって都合のよいように解釈する。 説明の時点で返答に困るような質問など買い主から出ないように、できるだけ威圧的にふるまう。
後になって説明不足だと苦情が出たら、報酬を放棄すればそれで無罪放免、損害賠償の額はそれ以上に及ぶことはない。 業者間の常識はこのように超法律的なのだ。
こうして業者によって説明される重要事項は、今日も買い主の右耳から左耳へと、見事にノンストップで駆け抜けていく。 責任の範囲は手数料報酬の額が限度なんだから、いざとなればそれを放棄だ。

都内有数の賃貸マンションがなくなり次第終了します。予約不要の賃貸マンションです。
もらって嬉しい賃貸マンションは欠かせません。賃貸マンションのお役立ちコンテンツ満載です。
賃貸マンションが発売されます。賃貸マンションを導入してみる価値はありますよ!

高級賃貸の意外な一面を紹介します。お客様から高級賃貸の喜びの声を頂いています。
人気キャラクターを題材にした高級賃貸です。業界最大手の高級賃貸です。
高級賃貸が完成しました。高級賃貸と健康について説明致します。